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屋根の雪止めとは

屋根に設置する雪止めの役割・種類と設置する際のポイント

雪止めとは屋根に積もった雪がまとまって落ちるのを防ぐために、屋根上に設置する部材のことです。降雪量などにより、様々な種類の雪止めが設置されています。

雪止めの効果・メリット

雪止めを設置することで、屋根からの落雪による様々な被害を防ぐことができます。雪止めを設置していない場合のリスクとしてこれらが挙げられます。

人的・物的被害

屋根に積もった雪は少量であれば太陽光や日中の温かさにより解けて屋根から流れ落ちますが、解けきれなかった雪は気温の下がる夜に凍り、固まってしまいます。そうしてできた重く硬い氷の塊のような雪が屋根から落ちることは非常に危険です。またたくさんの雪が屋根上に積もると、それらの重みで一度に大量の雪が落ちてくることがあります。

高い屋根から落ちる雪が人に当たってしまうことや、大量の雪によって大人でも埋もれてしまうなど、怪我や事故が起きることも少なくありません。
また人への被害だけでなく、一度に落ちてきた雪の重みで、屋根の軒先に取り付けられた雨樋が変形したり外れてしまうこともあります。その他にも車やエアコンの室外機など、家の周りの様々な設備にも被害を及ぼす可能性があります。

近隣トラブル

立地によってはこれらの人的・物的被害を近隣の方にも及ぼしてしまうかもしれません。
弁償費用を請求や周辺住民の方とのトラブル等に繋がる恐れがあります。

落雪の範囲やタイミング等を予測するのは困難なため、落雪を防ぐ、かつ塊で落とさない対策として雪止めの設置が有効です。

雪止めのデメリット

落雪による被害を防ぐことのできる雪止めですが、デメリットもあります。

錆の発生

雪止めは種類によりますが、金属製のものが多く使用されており、錆が発生する可能性があります。
雪止めが錆びることで脆くなってしまうため、交換が必要になることがあります。また住宅の景観を損ねる原因にもなります。
対策として、アルミやステンレス、亜鉛メッキ等の錆びにくい素材を選ぶことが有効です。

すが漏れのリスク

すが漏れとは、室内の温度が屋根表面に伝わり解けた雪が、再び冷えて氷となり周りの雪解け水をせき止めることで、排水経路を失った水が屋根の繋ぎ目などから浸水する現象です。
主に雪国では、雪止めにより雪を屋根上に長く留めることで、すが漏れが発生し漏水に繋がる可能性があります。

雪下ろしの妨げ

積雪の多い地域では、人力により屋根の雪下ろしをすることがあります。その際に雪止めがついていると、雪かき時にスコップなどの道具に引っ掛かりかえって作業の妨げになってしまいます。そのため雪国ではあえて雪止めを設置しないケースも見られます。
雪国の雪止めについては、後項で詳しく解説します。

雪止めの種類

雪止めには複数の種類があり、屋根の性質や降雪量に応じて選択します。

金具タイプ

扇形や台形の金具を等間隔に複数並べて設置する雪止めです。
屋根上を滑り落ちる雪を分断し、少量の雪であれば落雪を防ぐこともできます。降雪量がそれほど多くなく、コストを抑えて雪止めを設置したい際に最適です。

金具タイプ

アングルタイプ

長い棒で落雪をせき止めるように設置する雪止めです。
金具タイプに比べて、広い面積でしっかりと落雪を防ぎます。金具タイプでは不安のある降雪量の多い地域や、雪が滑りやすい屋根に適しています。

金具タイプ

ネットタイプ

金網を屋根の軒先に被せるように設置したり、フェンスのように設置する雪止めです。
屋根に被せることで網目に雪が引っ掛かり、滑りにくくします。フェンスのように設置するものは、金網を立てて高さを作ることで、落雪を抑えます。

金具タイプ

雪止めが必要なケースとは

雪止めは、少しでも雪が降る地域であればその効果は十分にあるといえます。さらに近年では地球温暖化による異常気象の影響で、雪の降り方にも変化が見られます。
そのため降雪量の多い地域や毎年雪が降る地域でなくても、雪止めを設置することをお勧めいたします。

雪止めの中でも金具タイプを採用している住宅が多く見られます。新築だけでなく、後付けでも比較的容易に設置が可能です。後付けの際は施工に足場を組む必要があるため、屋根のリフォーム等と同時に行うことでコストメリットがあります。
雪止め設置の際は屋根や周辺環境を反映した計算に基づき、最適な種類・設置間隔などをご提案しております。

また弊社の金属屋根製品「断熱ビューティルーフ2型」は横葺き屋根の段差(ハゼ)の高さが高く、屋根に積もった雪を分断する働きがあります。それにより雪が塊になって落ちるのを防ぎ、雪止めと併せてご使用いただくことで屋根からの落雪による被害をより軽減します。 

雪国における雪止め

一方、雪国においては雪止めの設置はしないことが多いです。
理由として、屋根上に積もる雪の量が多くすが漏れのリスクが高まるためです。また雪下ろしをする場合も、雪止めは不要と考えられます。

ですが、以下のようなケースでは雪国でも雪止めを設置することがあります。

1. 通路に面している家屋

屋根の雪が通路に落ちる可能性がある場合は、通行人に当たる危険や道を塞ぐ可能性があるため、雪止めを設置し落雪を防ぎます。

2. 民家と隣り合う家屋

屋根からの落雪で、近隣住宅に人的・物的被害を及ぼす可能性のある立地では雪止めの設置が求められます。また自治体によっては落雪についての条例が定められており、有効な措置の一つとして雪止めが挙げられています。

3. 軒先に樋のある家屋

雪国では雨樋を取り付けない家屋が多いですが、設計によっては雨樋を取り付けるケースも見られます。その際には屋根を滑り落ちる雪により雨樋が破損するのを防ぐため、雪止めを合わせて設置することがあります。

このように立地条件や周辺の設備などにより、雪止めの有無を判断する必要があります。
雪止めを設置しない場合、屋根からどこに雪が落ちるのか、落雪で周辺に危害を加える恐れがないか等を確認すると良いでしょう。
雪止めを設置する場合、屋根に雪を留めてもすが漏れによる漏水リスクを防ぐことのできる屋根の検討をお勧めいたします。

屋根雪の処理方法をご検討の際は、雪止めの設置だけでなく処理方法に合った屋根も併せてご検討ください。

弊社は金属屋根メーカーのパイオニアとして、雪国の住宅を守るため工夫を施した屋根や関連製品を提供しています。ぜひご相談ください。

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